イラストと漫画で綴る介護日記「これでええねん」 イラストレーター 國本りかさんが出版

イラストレーターで介護士の國本りかさんが、勤めていた介護施設での日常をイラストと漫画で日記形式でつづった「これでええねん Wonderful LIFE」(せせらぎ出版)を10月にオンデマンド出版した。描かれるのは、北摂にあった41床の住宅型有料老人ホーム(作中ではケアハウス)での日常。
國本さんは2012年から施設が今年5月に閉園するまで約10年間、介護士として勤務した。入居者たちのありえないような行動に笑い転げたり、ユニークな言動に感心したり慌てたり。それらを友人に話すうち、本にしたらと勧められた。イラストレーターとしてつながりのあったせせらぎ出版からオンデマンド出版の話があり、書籍化が実現した。
身長153㌢のFさんの洗濯物に必ず入っている全長2㍍の黒タイツの謎、「散歩に行きたいんだが」と介護士に言いにくる度に頭の上の帽子が増えていく男性、イケメンに弱く、お上品なのに時々足で物を動かすマダム。わがままで、時に汚物にまみれ、見えないものが見え、時に意地悪で、時々弱気になり……。人生の終末期を迎えた人々の、人間らしくてかわいくて、時に腹立たしくもある愛すべき日常が、温かいイラストと4コマ漫画をふんだんに使って愛情とユーモアたっぷりに描かれている。
「本にしていいものか、悩みましたが、閉園した施設で、登場された方たちの人生の終末期を確かに一緒に過ごしたことを描き留めたかったんです。高齢者の世話をされているご家族や介護職の方たちに『あるある!』と共感してもらえたらうれしい」と國本さん。自分も終末期、こんな目線で世話をしてもらえたら、人生が報われる気がする。
せせらぎ出版 1,078円。A5判、118㌻。注文はアマゾンで。
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